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ヴィクトリア女王の首飾り
今日はヴィクトリア女王によって有名になった宝石「ジェット」についてのお話です。
ヴィクトリア女王をよく知らない方も何となく「聞いたことがある名前だなぁ」と思われる方が多いと思います。
近年では、映画でも「ヴィクトリア女王 最後の秘密」が放映されましたし、
またテレビでも「女王ヴィクトリア 愛に生きる」が連続ドラマとして紹介されました。
映画「ヴィクトリア女王 最後の秘密」は、晩年のヴィクトリア女王の物語で、在位50年の式典からのその後を知る事が出来ましたが、宝石「ジェット」が係わる物語は、連続ドラマの「女王ヴィクトリア 愛に生きる」の方が時代が重なります。
「愛に生きる」の愛は最愛の夫アルバート公の事ですが、彼は42歳の時に亡くなりました。病気です。腸チフスとも胃がんとも言われています。
そのアルバート公が亡くなってからヴィクトリアは、喪服に身を包み、約20数年黒い服をまとっていました。
そんな喪服を飾っていた宝石が「ジェット」です。
また、王室内の人々にも喪服の着用を定めていました。
こうやって、ジェットのアクセサリーのアレンジが始まったそうです。
ジェットについて…
ジェットとは、植物が化石化した漆黒の石。と言われ、当時のジェットは今では珍しいものです。
もともと、ジェットは15世紀頃から「モーニングジュエリー」として用いられていたそうです。
服喪用装身具という意味です。
そしてジェットはやがてイギリスからヨーロッパの人々の間で流行する事になったのですが、
模造品の出現によって需要が減り、採れる鉱山も閉鎖されていったそうです。
とは言え、現在は中国などで良質なジェットの原石が発見されたとの事で、手に入らない事はありません。
同じ黒い天然石オニキスに比べるとジェットはとても軽い天然石。
大ぶりのデザインや洋服などに刺繍として縫い付ける石としては重宝とされているようです。
黒いアクセサリーをデザインするのに、ジェットがない場合、ただの黒いビーズであっても、
デザイン的には大きく変わる事がありません。
天然石オニキスを使えば、大きさや形や石のカットなど多様にあるのでアレンジがしやすいですし、
輝きはジェットとは違うものですが、スワロフスキービーズにも「ジェット」と名付けられた黒いビーズがあります。
また、安価なところではチェコビーズでもジェットのようなビ-ズを見つける事ができます。
わたくしもビクトリア女王を思って、メタルパーツやベルベットリボンで作ってみました。
葉月硝子
- 2019.08.23
- 08:05
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