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ベークライトと言う名のビーズ
アンティークな素材の中に、「ベークライト」というものがあります。
1907~1927年の間に製造された、今ではアンティークの部類に入る素材ですね。
時間の経過と共に、オレンジや黄色などの色に変色していくのが特徴とされていますから、ちょっと不思議ですね。
デザインをする時には、いずれ変わる色を考慮していろんな色を組み合わせて作るよりもシンプルな物が好まれます。
さて、いったい「ベークライト」ってどのような物でしょう?
調べてみましたので、簡単にお伝えしますね。
名前の由来は、その時代のベルギーの科学者ベークランド(Bakeland)によって開発された、熱に溶けないフェノール樹脂の商標名との事です。
もっとも古い人工的に作られたプラスチック素材だそうです。
今では、プラスチックで作るビーズなんて山のようにあり、誰かさんが科学的に何かと何かを掛け合わせて作ったビーズが出来たとしても、わざわざその方の名前がビーズの名前になったりはしません。
そんな時代に出来た素材だからこそ、有名になったのでしょうね。
1920年代には、コスチュームジュエリーの素材として使用されるようになったとの事ですので、本物の宝石からフェイクの楽しみが広がったその時代に発明されたビーズという事で、上流階級の方に好まれただと考えられますね。
上記に使わせて頂いたお写真は、「サクラシーエス」さんのもので、今でもサクラシーエスさんでは、購入する事ができます。
http://sakuracs.ocnk.net/product-list/16
青と黄色が用意されています。
「ベークライト」のビーズやアクセサリーを拝見すると、透明感の無いマットな表情ばかりです。
わたくし達が知っているアクリルビーズ、レジンビーズと言った具合でしょうか?
ガラスとは違った表情を持つ素材としては、今でも作るとぐっとアンティークさを増すような気がします。
「ベークライト」は1950年代に、次の流行を独り占めしたルーサイトが出るようになると、静かになりを潜め、1960年には製造停止、しかしCatalin社にその特許権が引き継がれ、今現在、わたくし達が手に取る事ができる「ベークライト」はこの会社の物と思われます。
今では、プラスチックと言いましたら大量生産…安い。と言うイメージですが、その昔発明されたもの、発見されたもの…と言うだけでとても価値がありますね。
時には、目の保養にアンティークな素材も尋ねてみたいですね。
葉月硝子
- 2019.09.18
- 16:06
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