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アガサクリスティ「春にして君を離れ」を読みました
皆様、こんにちは!葉月硝子です。
寒いですね。今朝、いかがでしたか?
超珍しい事に神戸も天から真っすぐに降りてくる雪を見ました。
近所の家の屋根を見ると、ちっとも積もっていないので、朝方からの雪かな?としばらく見ておりました。
やがて雪は止み寒さだけが残りました。
今年は、クリスマスに友人から頂いた分厚いクリスマス柄の靴下が手放せません。
ところで~
お正月休みを利用して、アガサクリスティの「春にして君を離れ」を読んでおりました。
これを手に取るきっかけになったのは、2020年の12月、アガサクリスティが生誕130年になるとの事で、ミステリー以外の作品も面白い。とお聞きしたからです。
アガサクリスティと言えば、長編なるミステリーも映画になったりして身近な存在です。
この度はアガサクリスティの純文学を是非読んでみたいと思い立ちました。
当時、ミステリーの女王としてアガサクリスティの作品が売れていた時には、彼女の純文学への賞賛も無かったようです。
いずれにしてもいつの時代も儲かる物に人は寄ってくるものです。
この時代だからこそ、別のアガサを読むことが出来て幸せです。
さて、内容ですが
母親であるジェーン・スカダモア(主人公)は、1男2女を儲け夫と幸せな生活をしていました。
ある日、次女の急病を見舞った後、バグダッドからイギリスに帰る途中に天候により幾日もレストハウスに泊まる事になります。
何もする事が無く退屈な時間を自分と家族、人生について考えだします。
今まで良い妻、良い母と自負していたのに、考えるうちに自分に疑念を抱き、真実に気がついて行く。
と、いう内容です。
読み手としたら、途中まで「まぁなんて高慢ちきな裕福な母親にありがちな考え」と思いつつ進めるのですが、しかし彼女の考えは一つも間違ったところは無いのに、だんだん彼女と一緒に、何かとてつもない間違った考えだった。という事に気づかされ、そのバランスに息苦しさを感じてしまう程でした。
彼女が真実に近づくほどに、読み手も真実を知ることになり、そして私の人生にもこのような事は無かったか?と空恐ろしい気持ちにもなりました。
これは、一種のミステリーとも言えるかもしれません。
読み終わると一気に栗本薫さんが書いていらっしゃる解説まで読みました。
そして、何とも言えな重苦しくなってしまった気持ちを、栗本薫さんの夫の言葉で少し癒される…というおまけつきです。
本の中の天気はいつも薄曇りで暗いイメージです。
一緒にグレー系のビーズを散りばめてみました。
アガサクリスティ「春にして君を離れ」
自分の人生についての是非を考えている方に、お勧めしたいと思います。
特に女性におすすめです。ジェンダーの方にもおすすめです。
わたくしのように子供を持たない人生を送る人間にとっては、どこかホッとさせられる部分もありました。
葉月硝子
- 2021.01.13
- 11:42
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